妊婦の腰痛を改善したいと願う治療家は数多くいるが、どこまでの治療、施術が許されるのか?
病院での医師、PT・OT・看護師、整骨院・接骨院の柔道整復師、鍼灸マッサージ師、整体師、エステティシャンなどに対して関節に対するAKS療法(=新型AKA療法)を通して腰痛を抱えた妊婦にどういうアプローチをしたら良いかを以下に述べる。
妊婦の腰痛にこそ新型AKA療法が必要な理由(動画)
妊娠中は妊婦の体重増加・胎児の体重増加に加え、ホルモン分泌活動による身体変化、脊柱の生理的彎曲変化により、仙腸関節を中心とする関節原性の腰痛が出現する。
病院でのレントゲン検査や電気治療・服薬、整骨院や整体での強い刺激やストレッチなどの治療に不安を覚える妊婦に対して以下に新型の仙腸関節AKA療法(関節に対するAKS療法)が安全で効果的な刺激かを動画でご覧ください。
妊婦の腰痛に対するAKS療法的アプローチ
各治療家が妊婦の腰痛治療に抱える不安を認識し、それを解消して安全なアプローチが展開できる考え方を述べる。
妊婦が自身の腰痛治療に不安を覚える場面とは?
各医療機関別に妊婦の腰痛治療に対する不安を記載する。
1)整形外科(病院)の受診
整形外科(病院)での受診は、以下の不安要素が浮かび上がります。
- レントゲン撮影
- 薬や注射への不安
- 物理療法の実施
医師は上記の不安要素に対して、施せる範囲と禁忌は明確に踏まえています。
逆に言えば、整形外科に行っても何も施せないことが多いため、「行ってもしょうがない」と思っている方が多いのが現状です。
リハビリテーションでの温熱療法(ホットパック)や電気療法は絶対禁忌ではないので、医師・療法士側から積極的に安全性を公表できると良い。
2)整骨院・接骨院の受診
整骨院・接骨院・整体院・カイロなどの受診では、以下の不安要素が浮かび上がります。
- 電気治療に対する不安
- 強い刺激に対する不安
- ストレッチに対する不安
上記に対して、なぜ不安を覚えるか?
それは、痛みの根本原因を明確にすることなく、自身の得意な施術法を展開する治療家が多く、安全性と治癒過程が想像しがたいことにあります。
妊娠による身体変化が腰痛を引き起こす理由
妊娠をした女性は、胎児の成長過程および自身の身体変化に対応するために固有に脊柱の彎曲を変化させ、日常動作での身体重心を保つ。
その身体的特徴の変化を以下に示す。
妊婦の身体的変化の特徴
妊婦の身体的特徴を以下に示す
- 妊婦の体重増加(10~11㎏)
- 胎児の体重増加(およそ3.2kg前後)
- 子宮底位置変化(9か月で最も剣状突起に近づく)
- ホルモン分泌による結合組織の弛緩
上記の理由により、妊婦個々において最も安楽な姿勢調整を行うため、腰椎の過度な前彎や後彎が仙腸関節に及ぼすストレスを評価する必要がある。
妊婦の腰痛に必要な治療刺激の把握
前述したとおり、妊娠による身体変化に対応するため、妊婦個々に姿勢調節を行った結果、過度なストレスを仙腸関節をはじめとする関節に与えます。
これらを安全かつ安心して解決できる方法を患者様に開示する。
正確な関節評価と治療
妊娠による身体変化のため、関節にどのような機能異常が起きているかを把握・説明する。
妊娠時の脊柱の彎曲変化には様々な文献が見られるが、重要なことは以下の痛みがどの関節のどの機能に由来しているかを見抜くことである。
- 立位・座位(仙腸関節)
- 体感前屈・立上り動作(仙腸関節)
- 歩行(肋椎関節)
- 寝返りや起き上がりなど回旋を伴う動作(肋椎関節)
- 階段昇降(仙腸関節・肋椎関節)
例えば、妊婦が訴えている立上り動作時の骨盤周囲の腰痛が仙腸関節にあると仮定する。その場合、仙骨に対して腸骨が前傾しにくいのか後傾しにくいのか簡単な検査で分かれば、治療は瞬時に対応できる。
筋肉に対する問題を深追いしない
姿勢保持中や動作時の腰痛の85%は関節に由来します。
加えて筋繊維細胞内のspasm(こり固まり)や筋短縮、筋出力低下がある場合もそれらが関節の働きを阻害します。
これらの筋障害を改善する手法として、筋肉のストレッチや筋膜リリースなどがあります。
私が開発したAKS療法においても筋繊維細胞内の収縮不全を改善する筋細胞リリースという手技がありますが、筋肉への刺激は少なからず関節への負担を生み、時間も要し、妊娠中は筋障害の回復は見込みづらいでしょう。
それよりも、短時間・低刺激で劇的に痛みの改善を図れる関節治療に重点を置いて、患者様の施術に対する安心感も念頭に置き、出産に備えて頂きましょう。
そして筋障害と脊柱の生理的彎曲異常に対する治療は産後に戦略的に施し、一日も早く本来の身体機能に戻して差し上げましょう。
なぜ、新型AKA療法だけが、安全なのか?
山内義弘が開発した関節に対するAKS治療、つまり新型AKA療法だけが、なぜ、妊婦の腰痛を安全かつ効果的に改善できるか?
その理由を以下に示します。
腰痛施術に対する3大不安要素とその解決法
妊婦が腰痛改善の施術を受ける場合、以下の3つの不安が過ります。
➀強い刺激を与えられないか?
妊婦は激しい骨盤や腰椎の矯正を強いられ、痛みを助長するだけでなく胎児に影響を及ぼさないか不安を感じています。
新型AKA療法は、妊婦特有の腰の関節痛をわずか体感3秒の世界一やさしい刺激で、秒速改善します。
➁痛みの原因を把握できるのか?
病院でのレントゲンによる診断も仰げない状況で、施術家が痛みの原因を正確に判断できるかを疑われます。
山内義弘が開発したAKS療法は25,000症例、75,000回以上の治療実績を積み重ね、どの関節にどんな機能異常があるかを瞬時に判断できます。
よって、妊婦に身体負担をかけることなく、腰痛の原因を明確にすることが出来るのです。
➂妊娠末期の禁忌肢位を把握しているか?
妊娠末期には、胎児の成長に伴い子宮が大きく拡大する。この時、仰臥位では子宮が下大静脈を圧迫することがあり、静脈還流が損なわれる。(→仰臥位低血圧症候群)
昨今の妊婦さんは我が胎児のための情報収集に長けていて、自身が長く保ってはいけない姿勢をほとんどが把握している。
よって、施術家が肢位の危険性を認識しているか?禁忌肢位で長い時間施術を受けさせられないか?など不安になるのは当然のことである。
新型AKA療法の仙腸関節検査は仰臥位、施術は左右の側臥位を取ります。
仰臥位での検査はわずが15~20秒、側臥位での施術も各10秒ほどで終了するため、下大静脈への圧迫はほとんど影響がないことが伺える。
それでも、禁止されている肢位を取りたくないと言われている場合は、新型AKA治療は左側臥位で右の仙腸関節に施術をするだけで、左右の関節機能を改善できるので、少しでも安心して痛みを軽減できるよう患者様の要望を優先する。
【仰臥位低血圧症候群】
仰臥位低血圧症候群とは、胎児の成長に伴い大きくなった子宮が母体の下大静脈を圧迫するために、心臓への静脈還流量が減って、その結果として心拍出量が減り、低血圧が起こるという病態です。
軽度の場合は血圧低下による顔面蒼白、冷汗、めまい、嘔吐など、重度の場合は呼吸困難や意識レベルの低下、胎児の低酸素症などが起こります。仰臥位だけでなく、下大静脈が脊柱の右側にあるため右側臥位(右が下)でも下大静脈が圧迫される可能性があります。よって妊娠末期は左側臥位による就寝が推奨されています。
参考文献「Association between maternal sleep practices and risk of late stillbirth: a case-control study」→BMJ 2011; 342 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.d3403 (Published 14 June 2011) Cite this as: BMJ 2011;342:d3403
ただし、仰臥位で寝ても上記症状を起こさない方は気にし過ぎることを避け、しっかりとした睡眠を確保することも重要と言われています。
まとめ
妊婦の腰痛改善に対して、一番重要視されるされるべきは妊婦の安心感と母体・胎児の安全です。
それらを確保しつつ、いかに効果的かつ即座に痛みを改善して、出産に備えさせらるかが治療家としての腕の見せ所である。
そして、それらを可能にするのはAKA療法を進化させた関節に対するAKS療法、つまり新型AKA療法だけなのです。