2019年 AKS療法Professionalコース4回目(全5回中)実施報告
- 第1回:中枢
- 第2回:歩行
- 第3回:投球
- 第4回:呼吸
- 第5回:脊柱
呼吸障害に対するAKS療法の展開
ベーシックのAKS療法プロセスセミナーを修了された先生方に新たな専門性を獲得して頂くために、2019年8月11日(日)AKS療法Professionalセミナー4回目 ;呼吸障害に対するAKS療法の展開セミナー(東京&名古屋:全5回)を開催致しました。
呼吸の専門性を高めるメリット
呼吸機能をしっかり評価&アプローチすることで、それがなぜ改善するか?なぜ改善しないのか?を理解し、強化ポイントを明確にする。
先生方がこの呼吸制御を学ぶ目的は?
- 睡眠の質を中心として自律神経にアプローチできるようになりたい
- 呼吸・姿勢・歩行・睡眠の質を上げる事でQOLをアップして、患者さんがやりたい事をサポートしたい
- 呼吸機能を改善する為に先ず患者さんの状態を客観的に評価出来ること
- 呼吸が浅くなることから身体全体への影響を勉強したいです
- 自身が夜寝つきが悪いので呼吸に介入することで変化を感じたい
なぜ、呼吸をテーマにするか?
心臓の拍動は直接的にはコントロールできないが、呼吸は回数・深さ(換気量)ともに無意識下(中枢制御)だけでなく意識下(随意制御)でもコントロールできます。
つまり、呼吸はヒトのホメオスタシスを制御できる唯一の手段です。
中枢疾患、脊柱疾患、代謝疾患、スポーツ疾患どのジャンルも結局たどり着くのはここ。
逆に言えば普段から効率の良い呼吸が出来れば様々な障害発生を回避できます。
よって、そんな機能障害を正確に評価して、それを原因別にアプローチできる方法を展開していきます
呼吸障害に対するAKS療法の講義内容
浅い呼吸がもたらす問題、呼吸機能評価、呼吸筋に対する展開、に渡ってお伝えしました。
1.浅い呼吸がもたらす問題
- 不定愁訴
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頭痛、便秘、代謝不良、肩や頚のコリがひどい、高血圧、イライラ、不眠、鬱様な気分…
- 姿勢障害
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横隔膜機能不全(胸郭の可動性低下)による脊柱生理的彎曲の崩壊、胸郭の扁平化による女性らしいラインの低下。
- 代謝(美容)障害
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循環障害による心機能低下、むくみ、肌荒れ..
など、これらの原因となる浅い呼吸をどうやって評価、改善していくかを学びました。
2.呼吸評価
- 呼吸数
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自律神経制御に直結する呼吸数。無意識下での呼吸数をチェックして、機能改善の重要指標とする。
- 胸郭の拡張性評価
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胸郭の拡張不全 = 換気量低下。吸気が出来ないのか?呼息出来ないのか?アプローチしながら原因を明確にしていく。
- SpO2
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サロンや院にお越しになる方で、SpO2(動脈血酸素飽和度)が低下していることは少ないですが、息切れなど患者様の呼吸状態を常に観察する意識を養う。
3.呼吸障害対するAKS療法の展開
下記のアプローチより、深くゆったりとした無意識下の呼吸を獲得し→副交感神経優位による不定愁訴の改善を図る。
- 1)吸息筋の筋細胞リリース
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横隔膜をはじめとする深い吸息筋が働きやすい姿勢下で吸気機能を高める術を極める。
- 2)呼息筋の筋細胞リリース
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息を吐けないことに気づいていない方は意外と多い。胸郭の高さ別に呼息を促していく。
- 3)強制吸息筋の筋細胞リリース
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横隔膜の不活動化、喘息、COPDなどの上位胸郭活動を主体とする胸鎖乳突筋や斜角筋の過緊張を改善する。
- 4)最大呼気の補助
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出来る限り死腔を最小化するため、最大呼息機能を改善する。(前鋸筋へのアプローチ)
- 5)セルフトレーニング
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自然に横隔膜活動性が高まるセルフトレーニングを指導できるようにする。
呼吸障害に対する講義を終えて
呼吸の講義を終えて
- 自身の胸郭の活動がこんなにも低下しているとは意外だった。
- 胸郭の機能を簡単に評価でき、吸えないのか?吐けないのか?原因がわかるだけでなくしっかりそれを改善できるアプローチが学べた。
- 呼吸を大事にしてきたが、こんな介入は初めて知ったので明日から患者様に提供していきたい